内勤者の通勤なんてのは、決まりきったコースの往復です。たまに本社に出向くことはあっても、これも決まったコースですからね。一度通ってしまえば、渋谷駅内の移動以外はスンナリ覚えることが出来ます。
これが滅多に乗らない地下鉄、私鉄に乗ると大混乱ですな。片側単線の鈍行列車は珍しくありませんが、ホームが一つの単線なんて、北海道にいたときも乗ったことがありません。
乗り換え時、目の前に停まってる電車に飛び乗ると、何と逆方向。「しまった。単線だった…」と思って次の駅で降車。
今度はホームが2つ。これまた急いでいるから、番線を確認しただけで飛び乗る。これがまた逆方向。
ホームが2つあっても、それは『上り線と下り線』ではなく、別の私鉄が乗り入れているだけで実質単線だった…
同じ区間を行ったり来たりです。何やってんだか。
なんでこんなことになるのか?
それは、Googleマップに頼り切っていたからですな。
知らない場所に行くには非常に重宝しております。しかし、それに頼り切っていてはイカンのです。
上の画像ですが、この幅でも県道であるからか、Googleマップ上では他の道幅よりも広く示されているんです。マップ上の表示を鵜吞みにすると間違えます。
googleマップに頼っているのもありますが、単線であったり複数路線が乗り入れるような駅とは、無縁に生きてきたというのもあるでしょう。
渋谷駅だ新宿駅だ東京駅は、迷宮だとかなんとか思ってきましたが、指定された番線に辿り着いてしまえば、余所見をしていても目的の駅には着けます。構造はともかく、渋谷駅の方がよほど親切です。
案内通りに行けば着く。そういうシステムに慣れすぎたと痛感しました。
地図上の東西南北に対しても、ずいぶん疎くなったものです。これはカーナビに慣れすぎてるからですね。
太陽の位置、陽が射してる方向が、こうなら東西南北なんて分かりそうなものなのに、空を見る前にマップ見ちゃいますからね。
知らない場所で老紳士から道を尋ねられたんです。「ここの者ではないので…」なんて一度は断りましたが、スマホで調べりゃ良いじゃんと思って、言われた場所を検索したんです。
目的地は分かったのですが、自分がどちらの方向に向いて立ってるか、即座に把握できずに心の中で「あれ?あれ?」なんてなってました。
機械、ツール、システム…ありとあらゆるものに慣れすぎて、自分の経験、培った知恵を簡単に捨ててしまっています。これが進化なのか、知的なのか。
私なんて、いざとなったら生き延びられんでしょう。
やはり実体験とその経験とは、生きていくうえで大切ですね。そして、その経験を常に呼び出す頭を持たないといけませんな。