私はある時を境に料理をすることを放棄しました。
子供や自分に対しては作ります。
何らかの批評が入ると思われるときには作りません。
かなり我儘なスタイルです。
なので、私が全てを賄う時は年に数回。
概ねカレーで逃げています。
厨房に立つとき、私はカレクックです。
しかし…先月末、連れ合いが右肘を手術したために、そんな甘えた事を言っていられなくなりました。
辛うじて料理は実家の母に頼っておりましたが、頼ってばかりもいられません。
そしてカレーばかりという訳にも行きません。
遂に…年に数回のカレクックが、カレー以外を作る事になりました。
残虐超人カレクック、正義超人爆誕の日であります。(これが書きたいだけ)
鶏肉にしてしまえば問題なかろう
去年だったか一昨年だったか、鳥の胸肉とササミを1kg、ひたすら下処理をしたことがあります。
タンパク質教に入信していたからです。
業務スーパーで買い込み、せっせこ脂と臭みと筋を取るべし取るべししておりました。
なので鶏肉には自信があります。
あ、既にタンパク質教は辞めました。
鶏肉に醤油、酒、味醂なぞあれば、何だか照り焼き的には出来るはず。
くらいのイメージでレッツ買物。
醤油他は家にあります。
であれば鶏肉です。
他は…まあ適当に。
まずは鶏の胸肉と…一応ササミ。
白菜…ほう、中々お安い。
人参…家にあったかな?多分あった。さようなら。
ピーマン…うむ、何となく親近感。いらっしゃい。
玉ねぎ…あったはず。さようなら。
レタス…よりはサニーレタス派。相場は知らんがこんちには。
…う~ん。
照り焼き的な物は面倒かも知れない。
和食系はメインは良くても他がなぁ…
トマト缶で煮込んでしまおうか。
お…なんか簡単そうだぞ。
要はカレールーがトマト缶になったと思えば良いんでしょ?
方向転換。
エリンギ…こんにちは。
コンソメ…是非お仲間に。
トマト缶…
いや、待てよ。
となると、玉ねぎとかみじん切りにして、飴色と言わんまでも何かしないといけないんじゃねえの?
…う~ん。
む…?
なんだこれは!?
カゴメ基本のトマトソース???(宣伝ではありません)
これで良いじゃん。
コンソメ君さようなら。
きみの能力は素晴らしいが、今回は役不足のようだ。
相応しいステージは別にある。
そしてオリンピック(スーパー)さようなら。
会計しておさらばじゃ。
鋭い刃を持った男が華麗に乱舞する
いざ参る。
何をどうするか分かってるのかって??
もちろんですとも。
はい、こちら。
デリッシュキッチン。
クラシル。
料理のサイトあるいはブログ。
YouTube。
完璧です。
まずは鳥の胸肉。
端にある何だか黄色っぽい所をカット。
余分な脂を剥ぐ。
切る切る切る。
調理用のビニール袋にポイポイ。
次いでササミ。
キッチンペーパーを使って筋を摘まみ、フォークに挟んで気合一閃。
おりゃっと行けば、筋が綺麗にスルスルと。
フフン。(←得意気
これもカット&ポイポイ。
で、酒に浸ける。
お酒に浸けている間、お米を準備しましょう。
ハイ。3合です。(←3分クッキング的
今回のお米は、余りに安くてつい買った「ばかうけ米」を使います。
(炊き立ては問題ないけど時間が経つと正直〇〇い)
無洗米ですが、一応水を入れて捨てるを二度ほど繰り返します。
改めてお水を入れます。
放置です。
~休憩~
大相撲をしばし鑑賞。
琴奨菊はついに引退ですな。
ではフライパンを用意しましょう。(←急に
テフロンと言えど油は必要。
それくらいは分かります。
油を少々…やや中火程度にし…
鶏肉を入れるべし入れるべし。
火を通している間に他の食材を準備します。
焼きながら次々に投入するという、手際の良さが光るカッコイイスタイルです。
初の試み。(←何かのフラグが立ちました
人参を用意します。
ハイ。人参は中、一本です。(←またも3分クッキング的
中略。
カットカットカット。
フライパンに投入。
玉ねぎです。
ハイ。中を一個です。
中略。
フライパンへGO。
ピーマンです。(←私ではなく野菜です。
今回は3個使います。
中略。
フライパン投入。
アチチ!!!(←あんたじゃないだろ
白菜を準備しましょう。
ハイ。400gです。(←適当
中略。
ザクザクザク。
投入。
ピー!
なんぞ??
…嫌な音、嫌な予感。
コンロが高温を検知して、自動で火が弱くなりました。
…焦げた。
玉ねぎで時間が掛かってもうた…(これでさっきのフラグ回収
フライパンを傾けると、茶色い汁が…
問題なければ出汁として一役を担ってくれたかも知れないものを。
さて、どうしたものか。
どうせトマトソースで煮ちゃうんだからという考えと、いや、それは著しく味が落ちるのではと言う考え。
もちろん、この段では作り直しなど出来ません。
悩んだ挙句、キッチンペーパーで吸い取ります。
正解か不正解か分かりません。
自分を信じるまでです。
…ここまでの自分の人生を振り返ります。
超楽観主義の私とて、色々と決断をしてきました。
結果…
もう不安でしかない。
味王と雄山には怒られるだろう的な
何だかんだ基本のトマトソース投入。
エリンギ投入。
…
…
…酢豚??
なんだこの色が中華っぽい感じは。
焦がしたからか?
考えてもみれば…
葉物とピーマンなんて簡単に火が通るわけで、この段階での投入でも良かったのか。
何だか味が薄いのは、果たして何が原因か。
やはり焦がした時にキッチンペーパーで拭いたから?
とりあえず味を整えます。
ケチャップ。
ソース。
ソースは万能。
これ以上、色が悪くならない程度にちょいちょい…ドババ。
あわわ…見てない見てない。
…胡椒。
まあ…入れた方が良いのかな。
あ、サニーレタス。
こうなりゃやっつけですよ。
これとプチトマト散らせば気まぐれサラダの出来上がりってなもんでしょ。
50度洗いだか何だか知らんけども。
あちっ!!
触れないじゃん。
まあどうかこうか出来ました。
食え食え。
味?
聞くだけ野暮だよ、あんた。
味王?
海原雄山?
誰です?
奴らが食べたいと言っても、あげやしませんよ。
わざわざ怒られたいと思うかってことですよ。
帰れ帰れ。
…で、私は一体誰に怒ってるんです?
毎日触ること。これ基本
カレーとは異なり、また自分だけが食すものでは無いことで、大変四苦八苦しました。
一週間明けたら野菜の切り方ひとつ、忘れているに違いありません。
経験したことを忘れないためには、毎日自分で作る事ですが、毎日作れるものでもありません。
出来る事は少しでも包丁を持ち、華麗な包丁捌きをする事です。
違う切り方、調理の順番を身に着ける。
先が見えない世の中をサバイヴするためにも、冒頭に書いた駄々っ子は卒業せねばなりますまい。
転じて…毎日触ること。
剣道とて同じ事と思うと…まあなんとサボっている事か。
25年強の時を経て復帰し、それでも順調に三段になれた事は、ほとほと嫌になるまで…
というか憎しみを覚えるくらい、小学四年生頃からほとんど毎日剣道漬けの生活があったからなんだと、今更ながら思います。
何に感謝するでもありませんが、遅まきながら実感です。
今回の事でいまさら色々気付くと言う事は、いままで料理をせねばならん時はよほどブウたれ精神で刹那的な感じだったんでしょうね。
剣道は毎日無言で五分間構えて、何かしらの矯正を期待して続けておりますが、素振りも加えにゃいかんですね。
だから酢豚ではありません(自分画伯)