引き続き8月4日(金)
朝、ホテルのスタッフから、延泊するなら引き続き利用しないかと、上司が声を掛けられた。停電から逃れるため、3日の時点で既に他のホテルを予約していたが、延泊するならこの事態を考慮して料金を勉強するという。
停電も今夜に復旧する見込みが示されたこともあり、上司と相談した結果、別のホテルはキャンセルし、同じホテルでの延泊を決める。
18時過ぎ
支社社員、当事務所メンバー数名と飲みに行く。ホテルに戻ってもろくな物が食べられない。というか、食べ物が乏しい。
一度ホテルに送ってもらい、服を着替える。それが沖縄スタイル。ホテルは停電だが、だいぶ台風も弱まり、ホテルの地区も工事の予定がたったようだ。風雨が強くなりつつある。台風が戻ってくるとの予報だが、2日の台風よりも弱いと期待し、そして飲み会から戻れば光に溢れたホテルになっているに違いないことを期待する。
23時過ぎ
終電が関係ない飲み会は恐ろしい。沖縄県民は元気だ。金曜日の飲み放題と言えば、東京近郷では概ね2時間だが、沖縄は無制限と来ている。ここでも麩チャンプルーを食べる。
前日、眠れていない疲れから、30分ほど座したまま寝こける。目が覚めると、この後はカラオケだと気合が入っている。
上司も酒に関してはザルだが、珍しいことに俺に帰るぞと言ってくる。同じく一睡も出来ていない疲労があるそうだ。あるいは俺に気を使ってくれたのかもしれない。
だがしかし、タクシーを呼ぶにも中々電話が繋がらない。これは諦めるしかないかと思い、最後に掛けたところで繋がった。
風と雨が激しくなっている。予報よりも台風が早く戻ってきたようだ。そして想像よりも風雨が強い。
23時半過ぎ
停電解消を期待したが、ホテルは真っ暗だった。
近くの信号は機能し、道路一本隔てた反対側のローソンは煌々と明かりが点いている。近くのマンションも同じように。
道一本違うだけなのに!
食料が無いので、そのローソンに寄る。カップラーメンやレトルト食品、飲料、お菓子などはあるが、パンやおにぎり、弁当など、すぐに食べらるものが何もない。上司はレトルトのお粥を買っていた。火を通さなくても食べらるらしい。そう言われても買う気にならない。ベースブレッドがあったので、一つ買う。
日付変わって8月5日(土)
0時32分
沖縄電力の停電表示が、二段階戻った。復旧は未定となる。
相変わらず部屋は酷い温度と湿度だが、部屋は清掃が入ってシーツの触り心地が気持ち良い。
シャワーは冷たい。水滴を拭いても拭いても濡れている。せっかく気持ちよくなったシーツを出来るだけ湿らせたくないので、バスタオルを敷いて、その上に横たわる。激しい雨と風の音がする。
5時
風だけよりも、雨が降っている方が幾らか涼しい。室温は27度になっていた。猛烈な風と雨。これで本当に水曜日頃の台風より弱くなっているのだろうか。今日も工事は無いだろう。
6時
猛烈な風が建物を揺らし、崩壊するのではないかと跳ね起きる。幾らか寝ぼけたようだが、猛烈な風と雨であることは間違いないようだ。土日となると支社は開かない。会社のPCをフル充電で持ち帰ってきたが、これで二日分のバッテリーを賄えるとは思えない。まさか支社長に連絡して、会社を開けてくれとも頼めない。
高温多湿と暗い部屋、寝ようにも容易に寝られず、紙は湿り、汗もかいているから文も書けない。見るべきものは何もない。
もう我慢の限界だ。
6時半頃
気休めにネットで今日から泊まれるホテルを探す。こんなときに泊まる人なんていないだろうと思ったが、意外に空きが少ない。考えてもみれば欠航になって腰を据えることを決めた人や、ホテルに避難する人もいる。決断は急がないといけない。
料金も手頃で、支社からそう離れていないホテルを見つける。上司にラインをしてみると、すぐに返事があった。上司の決定を待って、ホテルを2部屋予約する。
ここのホテルも良いのだが、いかんせん停電ではどうにもならない。料金を勉強するという申し出を断った形となってしまった。ここの皆さんが理力と共にありますように。
停電になる前に買った、このパンには助けられた。カロリーお化け。