前回、剣道対フェンシングでは、剣道が不利である理由を書きました。
かように圧倒的に不利な剣道ですが、今回は『フェンサーと相まみえた時の対処法』を考察したいと思います。
そんな状況あんのかよ!?と思っても、人生何があるかわかりません。
保険は大切。
そんなこんなで、戦法と構え方を軸に記します。
戦法
- 一撃必殺
ちょこまかやっていてはどうにもなりません。
相手が様子を見ている間に一気に攻めます。
フェンシングもプロテクターが入っており、ユニフォームも道着よりは厚い生地を使っています。
とはいえ、やはり竹刀相手では痛いはず。
恐怖心を煽るためにもグイグイ行きます。
力強い踏み込みからの素早い足の引き付けと足さばきで、打突と同時に一気に距離を詰め、圧倒的な威圧感で反撃を許さない。
- 至近距離からの籠手と逆胴
相手の剣身より懐に一気に間合いを詰め、至近距離でも打てる籠手、あるいは逆胴を放つ。
特にエペは剣身が長く太さもあるため、フルーレほど取り回しは円滑に行かないと思われます。
足を狙われなけば勝機はあります。
対応する構え
一刀中段のオーソドックスな構えは不利です。
相手の剣が竹刀に容易に触れる構えは避けるべきと考えます。
上段は胴体ががら空きであり、軌道が読まれやすく、最も不利と考えます。
上段からの諸手小手打ちをもってして半円のガードで弾かれる可能性が高く、特にサーブルのガードは手を包んでいる形状なので、通用しません。
上中は使わない方が無難と考えます。
そこで以下を提案します。
- 二刀中段
二刀でも一般的な「上下太刀の構え」は不利と考えます。
「突き」を有効に使うには、太刀が上にあっては素早い動きが出来ません。
「中段」もしくは「右脇構え」を提案します。
小刀で相手の剣を抑え、素早く太刀で突きに転じる事が出来ます。
中段であれば、抑えた剣の小手先を斬るのも有効と考えます。
右脇(あるいは左脇)構えであれば、より鋭く、攻撃的な突きを繰り出す事が出来るため、相手にとっては脅威です。
- 一刀下段
下段は守備からの反撃に適していると考えます。
相手の攻撃を上に集中させ、刷り上げて籠手に返す。
あるいは、剣先を中段に戻した瞬間に突きに出る。
と言う戦い方が可能と思われます。
難点は、自らの攻撃が「突き」を主体にせざるを得ないこと。
防御の意識が強いと相手の出方を見て翻弄される可能性が高くなることかと考えます。
- 一刀での脇構え
剣道形四本目の仕太刀の構えです。
竹刀を隠し、間合いを眩ませます。
隙は多いですが、剣道でもほぼ見ない構え(※)で相手を翻弄するのも狙いです。
※流派によっては使うようです
相手の仕掛けにのらず、足捌きで間合いを保つ事を心がけます。
相手が仕掛けてきた所を、一気に詰めて一撃で仕留めます。
こんなイメージで。
対エペ想定です。
いざ尋常に…
…この構えに対抗できるかな?
な…なに!?
と、まあこんな感じに(自分画伯)
いかがでしょう?
このように剣道でも勝利する可能性があるのです。
え?
両者の打突の瞬間が分からない?
剣が伸びてきたところを下から刷り上げて間髪入れずに「突き」あるいは「引き技」です。
片手打ちに転じる事も可能で、下段よりも攻撃幅と竹刀の軌道が拡がります。
これで決まりです。
脇構えを使ったことが無いから描けないのだろうと思ったあなた!
どうぞそのことは胸の内にしまっておいてください。
真剣同士では…あるいは剣道の方が有利な気はしますが、真剣はどちらも扱ったことがないので分かりません。
とにかくも、フェンシングは有利です。
しかし。
さりとても。
さりとてあらんやは。
諦めてくれるな。わが同志。わが友よ。
いざ、フェンサーと対決せしめんとするその時!
是非とも上記戦法、構えで応戦いただければと思います。
了
とか言いながら、意外に弱い?脇構え。
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