わたくし、やりました。
やってやりました!
面を眼鏡用に加工しましたよ!
正確にはスポーツ用眼鏡向きの加工ですが…
結果…努力賞くらいでしょうか。
大成功ではありません。
面は確実にダメージを受けており、手差しとか町の防具屋さんとかでは絶対出来ません。
…と言うか、やらないですね。
どうやったか経緯を書けと?
まあ急かしなさんな。
慌てる乞食は貰いが少ないってね。
あっしの座右でさ。
御用とお急ぎでないならお立合い。
遠出山越え笠の内。
寺の鐘をゴーンと突けば、鐘が鳴るやら撞木が鳴るやら、とんと分からぬ道理だが。
さてお立合い。
では工程を
ネットで調べたら、防具屋さんの加工の広告しか無く…
ひとつだけ、眼鏡側を加工するという、これも強者の剣道関係の方がいました。
手先が器用で大胆な方もいたものです。
今回は面です。
面側の加工(と言うか破壊)に挑みます。
ちなみに私が使用している眼鏡は「SWANS GARDIAN X」です。
一般的なフレームの物では絶対に無理なので、ご了承ください。
(やらないと思いますが、一応)
一般的な眼鏡と区別するため、以降はゴーグルと記します。
まずはゴーグルを着けて面を被り、面金で数えて位置の見当を付けます。
鏡で見ても良し、親切な旅の人に数えて貰うもよし。
フムフム…
上から四本目と五本目の間。
少々差分を見て、やや五本目寄りに…黒ペンで線を入れます。
…まだ後戻りは出来ます。
前門の虎 後門の狼 進退を決する非情の一太刀
ここでやや気持ちの見極めを。
本当にやるのか?やったら後悔する事にならないか?
…やります。
リバ剣セットでフルフル揃えて6万です。たかが6万円…されど6万円。
面本体は安いはず!
儘よ!
男気溢れる自分に酔いつつ、太刀(カッター)で一閃!
チリチリ、ザリザリ…
ガリガリ…
気持ちは派手でも行動は地味。
バッサリなんて行けません。
文字通りカッターでは刃が立たない…。
しかし慎重に進めつつも、やるとなったら迷いは禁物です。
1㎝少々の切り口を付けます。
両側共に、綿がパンパンに詰まっています。
綿を取り出す。
切り口を開けたは良いですが、後を思うと出来るだけ拡げたくはありません。
狭い切り口から綿を引っ張ってみると、何だか良い感触では無かったので、カッターの刃を使って削り出します。
ガリガリ…どのくらい抜き取れば良いのか見当も付かず。
ガリガリ…
…
…もう良いかな。
ゴーグルを着けて感触を確かめます。
!!
素晴らしい。
当たる感覚が全く違う。
ゴーグルをグイグイ締める事がないため、眼球が西川きよしにならずに済みます。
もうちょい削ろう。
♪わっせほいさ、ほいのほいのほい♪ とな。
再度、面を装着。
非常にマイルド。
う~ん、マンダム。
マンダム CM (1970年) チャールズ・ブロンソン 男の世界
余りやりすぎるのも良くなさそうなので、これにて綿を抜く作業は終了です。
綿が抜けたので、開口部が狭くなりました。
こんなもんです。
実際にはもう少し抜いています。
縫合作業がとても無理
さて、縫合です。
カッターでガリガリ切って、これまたカッターを使ってザリザリ綿を取り出しました。
開口部を最小限に心掛けたとはいえ、このまま縫い付けても綺麗には行きません。
当て布をして縫う事にします。
と言っても、そんな太い針も頑丈な糸もありません。
…仕方ない。
洋裁専門出の母に頼むか。
早速、母に相談&依頼。
待つこと10分。
…
…
…
「無理」
ほほう。それは何故に?
「針が入らない」
でしょうね。
「しかも短い針じゃないと、通っても返せない」
ほう。
想定外。
けど、まあ確かに想像は付きます。
よしんば針が入ったとしても、糸を通せないってことですな。
そんな針は持ってないと。
あい分かった。
土曜日はそれで時間切れです。
剣道の稽古があるので、遅れてはいけません。
中途半端ではありますが、この日の稽古は面を着けない事は分かっています。
取りあえず中途半端でも防具袋に詰め込んで、レッツゴー。
さて、つつがなく稽古は進みますが…
ただの素振りも限界が来たのか「一般の方は面を着けて元立ちお願いします」と来たもんだ!
装着試験になると気持ちを切り替えて、面を着けます。
ムム…
ややゴーグルに掛かる負荷が大きく、ずれそうな感じがあります。
しかし、違和感はそれだけで、面をパカスカ打たれても全く問題はありません。
体当たりに耐えられるように、西川きよしにならない程度にゴーグルを締めようと思います。
面を外した時に開口部を見ましたが、そうそう荒れてる様子もありませんでした。
その名は『ゴリラ』その正体を、いま、正に…!
さて明けて日曜日。
快晴です。
稽古は無いので走るつもりでいましたが、まずは面の作業の続きです。
合わせられない物をどうするか…答えはあります。
ゴリラテープ
知らない方に簡単に。
ゴリラテープとは超強力接着テープです。
車のバンパーが外れても直せると言う優れもの。
水がビャービャー噴出するパイプに貼っても大丈夫と言う優れもの。
耐性、剛性が最強です。
それがゴリラテープ。
これを思いつき、早速購入しに行きます。
ゴリラテープの種類は数あるのですが…
どれが良かんべ。
用途を見ても「布」がありません。
と言って、使えないともありません。
そんな安いものでは無いので…
!!
両面テープが目に入ります。
ゴリラ両面テープ!
これは素晴らしい。
と思いきや、布は使えないと。
ふーん。
結果、接着剤にしました。
当て布と面を接着する作戦です。
その名も…ゴリラグルークリア!
これはね、のび太君…
どこでもドアで帰ってきたのび太君は、早速作業に入ります。
作業場には雑多な物が多く、便利にして断捨離とは縁遠い母の家です。
説明書きを読みます。
フムフム…『接着後、締め具や重しで二時間ほど固定してください』
盲点。
私は「そそっかしい」と言う致命的な欠点があります。
それゆえに、他人の失敗にも寛大です。
楽天的(能天気)でそそっかしいので、結構なアホちゃんです。
超几帳面な人はイライラすることでしょう。
今回は両面テープのトラップを回避したことで良しとして、二時間問題に思いを巡らせます。
面を前にして逡巡していると、母が「もう普通の糊で着けちゃえば?布でしょ?」と、
日本古来の『ヤマト糊 チューブタイプ』を持ち出します。
21世紀にデンプン糊。
素材に気にする年代はいない生活で、いまさら安心素材もどうなんだ。
そもそもいつ買ったもの??
人の苦労をアッサリ否定し、思い付きで発言する。
この辺りの遺伝子が色濃く私にもたらされています。
黙殺しつつ、二時間問題はどうとでもなるだろうと、おもむろにゴリラ接着剤を手に取ります。(能天気気質)
当て布を持ってペタリ。
片側接着。
ちょいと母の本棚を見ると、母のスマホを買ったときの箱が目に。
ちょっと押さえてみると、良い塩梅。
接着面に箱の平たい部分を押し付け、片側は面の反対側で固定できます。
こりゃ良い。
このままの状態で二時間放置。
その間、走りに行きました。(自分画伯)
結果はどうかね?
何だかんだで二時間後。
布が薄すぎて箱も接着しかけていましたが、どうやら成功です。
良かった良かった!
残りの片方もペタリ。
グイグイ箱で押さえて二時間放置。
二時間後…む?やや甘い感じが…
外したものを押さえると余計な力が加わって、悪い結果になりそうです。
まあ良き良きと思って接着作業は完了とします。
これで24時間後に硬化していると。本当か?
さて24時間経った本日。
結果はと言うと…まあまあ、まずまずですね。
見た目は綺麗ではありませんが、新たに面を買うよりも安上がりです。
と言う訳で、出来上がりです!
…!!画像撮るの忘れた。
気を取り直して本日の纏めです。
- ゴーグルの位置を定める
- 印を付ける
- カッターでぐいと切る※ゴーグルが当たる所の上下と思っていましたが、上の部分だけのカットで大丈夫でした。
- 綿を抜く※思い思いの方法でどうぞ
- 当て布をゴリラで着ける※確信が持てなかったので接着剤ですが、テープでも良かったかも。
- 完成
面を前に途方に暮れる。横たわるヤマト糊と邪魔にし来た猫の図(自分画伯)
え?給付金で専用の面を買えばって?
私個人の物で使えるなんて、夢のまた夢です。
トホホ。
とても頼れますが、裏面の説明書きは良く読んだ方が良いです。